地震は日本にとって避けられない自然災害ですが、その後には悪質な商法や詐欺が横行することがあります。被災者や周辺住民は、不安や混乱につけ込まれて、高額な契約や不当な支払いを迫られることがあります。このような災害に便乗する手口は、過去にも多くの事例が報告されています。今回は、2024年に発生した能登半島地震を例に、災害に便乗する手口の実態と対策について、専門家の見解をまとめてみました。
能登半島地震とは
能登半島地震とは、2024年1月1日16時10分頃、石川県能登地方（輪島の東北東30km付近）深さ16kmでマグニチュード7.6の地震が発生。 石川県をはじめとして各地で建物損壊、土砂崩れ、火災等が発生し、甚大な被害をもたらしています。
能登半島地震に便乗する手口の例
能登半島地震の後には、被災地や周辺地域で、様々な悪質な商法や詐欺が発生。以下に、主な手口の例を挙げます。
ポイント
・不正請求
・義援金詐欺
・架空請求詐欺
不正請求
・住宅修理の悪質商法: 地震で被害を受けた住宅の修理を名目に、不審な業者が訪問し、高額な契約や前払いを迫る。また、火災保険や損害保険を使って自己負担なく修理できると偽り、保険金の不正請求を行う。
義援金詐欺
・ 災害支援団体や公的機関を装って、電話やメールで義援金や寄付金を要求する。また、募金箱や封筒に偽の団体名やロゴを貼って、義援金を集める。
・見知らぬ人からの電話詐欺: 被災者の親族や知人を名乗って、電話で金銭や商品券などの送金を要求する。また、災害関連の情報提供やアンケートなどを口実に、個人情報や口座番号などを聞き出す。
架空請求
・架空請求詐欺: 災害関連のサービスや商品を利用したと偽って、請求書や督促状を送付する。また、インターネット上で災害関連の情報や動画を閲覧したと偽って、利用料金を請求する。
災害に便乗する手口から身を守るために
災害に便乗する手口から身を守るためには、以下のような対策が有効です。
・住宅修理の悪質商法には、契約を急がされても断る。複数の業者から見積もりを取り、比較検討する。保険金の請求は、加入先の保険会社や代理店に相談する。経年劣化による損傷と知りながら、災害による損傷と申請することは絶対にやめる。
・ 義援金詐欺には、不審な電話やメールには応じない。募金をする場合は、信頼できる団体や機関を通して行う。募金箱や封筒には、団体名や連絡先などの情報が明記されているか確認する。
・ 見知らぬ人からの電話詐欺には、本人確認や事情確認をする。金銭や商品券などの送金はしない。個人情報や口座番号などを教えない。不審な電話があった場合は、警察や消費生活センターに相談する。
・ 架空請求詐欺には、利用した覚えのないサービスや商品に対する請求は無視する。インターネット上で災害関連の情報や動画を閲覧する際は、有料か無料かを確認する。不審な請求があった場合は、警察や消費生活センターに相談する。
まとめ
災害に便乗する手口は、被災者や周辺住民の不安や混乱につけ込んで、高額な契約や不当な支払いを迫るものです。過去にも多くの事例が報告されており、能登半島地震の後にも、住宅修理の悪質商法や義援金詐欺などが発生しました。災害に便乗する手口から身を守るためには、契約や支払いを急がされても断る、不審な電話やメールには応じない、信頼できる情報源を確認する、困ったときには相談するなどの対策が有効です。災害時には、自分の安全と財産を守るために、冷静に判断し、悪質な商法や詐欺に注意しましょう。
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